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基本的なレイアウトを使おう

PySide で、ウィンドウの上にウィジェットを縦や横、格子状に配置して
ウィンドウサイズの変更に応じてレイアウトしたい場合は
「QLayout」を使用します。

レイアウトは、Designer を使用するときにでも使用しますが
今回は Designer を使用せずコードのみで書いた場合の使い方などを説明していきます。

QVBoxLayout/QHBoxLayout

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class SampleUI(QDialog):

    def __init__(self, parent=None):
        super().__init__(parent)

        layout = QVBoxLayout(self)
        self.setLayout(layout)

例として、QDialog に対して、レイアウトを配置する場合。
Widget は、基本 setLayout を使用することで
レイアウトを指定することができます。

図に表すとこのようになっていて、
ある Widget(QDialog)上に、ウィジェットを配置するためのスペースが準備されます。

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        for i in range(5):
            btn = QPushButton(f"Sample {i}")
            layout.addWidget(btn)

配置した結果はこのようになります。

このレイアウトに対して Widget を配置すると、
QDialog のサイズに合わせて均等にレイアウトすることができます。

このように縦方向にレイアウトしたい場合は、「QVBoxLayout」を使用します。

同じように横方向に配置したい場合は「QHBoxLayout」を使用します。
使い方は VBoxLayout と同様で、

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class SampleUI(QDialog):

    def __init__(self, parent=None):
        super().__init__(parent)

        layout = QHBoxLayout(self)
        self.setLayout(layout)

        for i in range(5):
            btn = QPushButton(f"Sample {i}")
            layout.addWidget(btn)

QVBoxLayout を使用していたところを、QHBoxLayout に変更すれば、
横方向に並べることができます。

SpacerItem

QLayout を使用すると、縦・横方向に並べられることがわかりましたが
Dialog のサイズが変更されても、均等ではなく配置してる Widget は固定したい場合があると思います。
その場合は、QSpacerItem を使用します。

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class SampleUI(QDialog):

    def __init__(self, parent=None):
        super().__init__(parent)

          layout = QVBoxLayout(self)
          spacerItem = QSpacerItem(0, 0, QSizePolicy.Minimum, QSizePolicy.Expanding)

        for i in range(5):
            btn = QPushButton(f"Sample {i}")
            layout.addWidget(btn)

        layout.addItem(spacerItem)
        self.setLayout(layout)

QSpacerItem を使用した場合の例はこのようになります。

SpacerItem とは、その名の通り、レイアウトに対してスペースを配置します。

見えていないですが、視覚化するとこのようになります。

SizePolicy

QSpacerItem は、引数で SpacerItem のデフォルトの大きさと SizePolicy を渡します。
これは、ウィンドウを変更したときの振る舞いを表していて、
Minimum ならば、最小の値で固定し Expanding ならば、ウィンドウサイズに応じて幅が変動するようになります。

詳細はこちら参照ですが、この中からいくつか使いそうなものを紹介します。

デフォルトは Minimum になっていて、これは SpacerItem を使わなかった場合と同じ挙動になります。

Expanding
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spacerItem = QSpacerItem(0, 200, QSizePolicy.Minimum, QSizePolicy.Expanding)

Expanding にすると、SpacerItem の範囲がウィンドウサイズに応じて拡張されます。
Spacer 以外は元のサイズ(SizeHint の大きさで)固定になります。

Fixed
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spacerItem = QSpacerItem(0, 200, QSizePolicy.Minimum, QSizePolicy.Fixed)

Fixed にすると、指定の SpacerItem で(SizeHint の大きさで)固定され
レイアウトに配置して Widget は均等に配置されます。

QGridLayout

VBox と HBox を使用すると、縦・横に配置できましたが、
そうではなく Excel のように格子状にウィジェットを配置したい場合もあります。

その場合は、QGridLayout を使用します。

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class FormUI(QDialog):

    def __init__(self, parent=None):
        super().__init__(parent)

        layout = QGridLayout()
        self.setLayout(layout)

        btn = QPushButton("SampleA")
        layout.addWidget(btn, 0, 0)
        btn = QPushButton("SampleB")
        layout.addWidget(btn, 0, 1)
        btn = QPushButton("SampleC")
        layout.addWidget(btn, 1, 0)
        btn = QPushButton("SampleD")
        layout.addWidget(btn, 1, 1)

        btn = QPushButton("SampleE")
        layout.addWidget(btn, 2, 0, 1, 2)

        btn = QPushButton("SampleF")
        layout.addWidget(btn, 3, 0, 2, 1)
        btn.setSizePolicy(QSizePolicy.Fixed, QSizePolicy.Preferred)

        btn = QPushButton("SampleG")
        layout.addWidget(btn, 3, 1)
        btn = QPushButton("SampleH")
        layout.addWidget(btn, 4, 1)

GridLayout を使用したサンプルです。

GridLayout は、レイアウトに対して addWidget(配置したい Widget,Row,Column)で
指定したグリッドに Widget を配置することができます。

基本的なグリッド配置

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        btn = QPushButton("SampleA")
        layout.addWidget(btn, 0, 0)
        btn = QPushButton("SampleB")
        layout.addWidget(btn, 0, 1)
        btn = QPushButton("SampleC")
        layout.addWidget(btn, 1, 0)
        btn = QPushButton("SampleD")
        layout.addWidget(btn, 1, 1)

まずは、シンプルに格子状に配置したい場合。
Row と Column のインデックスを指定することで、
その位置に配置できます。

グリッドの結合

次は、そのグリッドを結合したい場合。
結合したい場合は、 addWidget(配置する Widget,Row,Column,RowSpan,ColumnSpan)
のように、縦・横それぞれいくつ結合するかを引数で指定します。

例えば、横方向に結合している「SampleE」のボタンの場合、

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        btn = QPushButton("SampleE")
        layout.addWidget(btn, 2, 0, 1, 2)

2,0,1,2 なので、 ColumnSpan が 2 になっています。
なので、2 つ分のグリッドを結合したレイアウトにボタンが配置されます。

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        btn = QPushButton("SampleF")
        layout.addWidget(btn, 3, 0, 2, 1)

        btn = QPushButton("SampleG")
        layout.addWidget(btn, 3, 1)
        btn = QPushButton("SampleH")
        layout.addWidget(btn, 4, 1)

縦の場合も同様で、この場合は RowSpan を 2 にします。

SizePolicy(おまけ)

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        btn.setSizePolicy(QSizePolicy.Fixed, QSizePolicy.Preferred)

デフォルトの場合、ボタンサイズは縦方向は固定されているのですが
これをレイアウトにフィットさせたい場合は
先程説明した SizePolicy を、ボタンに対して指定します。

まとめ

https://snippets.cacher.io/snippet/39af914aa31fd8e7e282

インポート含めてのサンプルコードはこちらです。

VBox と HBox はネストすることができるので
これを組み合わせることで複雑な GUI を作ることも可能です。

それ以外にも、
CustomLayoutを作ろう
PySide ではカスタムレイアウトを作成することもできるので、
もっと複雑なレイアウトを作りたい場合などは、QLayout を継承したおオレオレレイアウトを
作ることもできます。