SOLARISでのアトリビュート削除
SOLARIS 内でのアトリビュート処理でいろいろはまったので
SOLARIS でのアトリビュート削除についてメモしておきます。
まず、やりたかったこととしては、SOLARIS で Prim に追加された Attribute を削除したい
ということです。
USD のアトリビュートはざっくりと分けると 2 パターン存在しています。
1 つ目がスキーマに定義されたアトリビュート。
もう一つが、それ以外のカスタムアトリビュートです。
USD は、複数のレイヤーを「合成」して構築するため
ある1つの USD ファイルを見ただけでは、最終的にどうなるかは決定しません。
たとえば、「 sample_val = 0 」という定義があるスキーマを適応し、
LayerA.usd と main.usd がサブレイヤー合成されていたとします。
この時、LayerA にはオピニオンはなく、main.usd に「 sample_val = 20」にするという
オピニオンがあります。
このような場合は、そもそもスキーマに対してアトリビュートが定義されているので
アトリビュートの定義を削除することはできません。
その代わりに用意されているのが「Block」です。
例として、このようにノードを作ります。
inlineUSD では
def "sample"(){
int sample_val = 0
}
sample_val = 0 を持つ Prim を作り、 EditProperties で適当に値を編集します。
そして ConfigureLayer を使用して新しくレイヤーを分け、
usd_blockattrib(0,'/sample','sample_val');
Wrangle ノードのusd_blockattribで、指定した Prim のアトリビュートを Block します。
Wrangle ではなく Python で書く場合は
node = hou.pwd()
stage = node.editableStage()
prim = stage.GetPrimAtPath("/sample")
prim.GetAttribute('sample_val').Block()
これでも同等の処理になります。
これで InspectLayers を確認すると、
最初のレイヤーには、sample_val = 10 のように、EditProperties のノードの値が入り、
最終的なレイヤーは、
より強いレイヤー側に「None」の値が追加されています。
Block というのはなにかというと、このようにあるレイヤー(EditLayer)に対して
None を指定することによって、弱いレイヤーで編集した値をその名の通り「Block」
する機能です。
これは、Attribute の定義が消えたわけではないですが、
結果としてパラメーターが無効化され、使用できなくなります。
CustomAttribute の場合
スキーマに定義されている場合に関しては、アトリビュートは消すことはできないので
Block する...というのは順当な気がしますが
CustomAttribute、つまりはスキーマに定義されているわけではなく
その都度 Prim に足したようなアトリビュートであっても
同様に消す手段は(今のところ)見つかりません。
近しい処理としては、
node = hou.pwd()
stage = node.editableStage()
prim = stage.GetPrimAtPath("/sample")
for spec in prim.GetPrimStack():
print(spec)
if 'sample_val' in spec.attributes:
spec.attributes['sample_val'].ClearDefaultValue()
削除したい Prim の Stack をチェックして、記述 がある部分を ClearDefaultValue()
して回るくらいですが、
その場合も、Attribute の情報は残ります。
このあとに Flatten したとしても消えません。
個人的には Custom の場合は消させてほしい気もしますが
できないのは Houdini の都合というよりも USD の都合なのかもしれません。
対策
というわけで、基本 Houdini 上では足したものは消せないので
消せないのであれば「初めからそもそも入れない」ことを前提にノードを組む必要があります。
アトリビュートを追加して、後から消したいケースというのがどういう時にあるかというと
途中で処理の都合一時的にパラメーターを保存しておきたかったケースや
SOlARIS から SOP にデータをもっていき、SOP で処理をした結果 LOP 側にもってきて
その結果をアトリビュートにセットし直したいケースなど、
あくまでも一時的なパラメーターとして使い回したいケースが多いはずです。
その場合は、処理を実行する系統と、反映する系統のノードをわけて
最後に実際に出力したい Stage で、アトリビュートのコピーを実行します。
両方に /sample Prim があるものとして、(都合不要なアトリビュートが多くある)
片方は、 /sample Prim があるが処理をする前の状態であるとします。
SOLARIS は、SOLARIS 内のノードから、その段階の Stage を取得できます。
Stage とは USD の複数レイヤーが合成された結果のシーングラフを扱うためのものです。
node = hou.pwd()
stage = node.editableStage()
srcStage = node.node("../OUTPUT").stage()
# 編集しているStageを取得する
srcPrim = srcStage.GetPrimAtPath("/sample")
tmpAttr = srcPrim.GetAttribute("__tmp_value")
# 実際に反映させたいStageのPrim
prim = stage.GetPrimAtPath('/sample')
prim.GetAttribute('result').Set(tmpAttr.Get())
なので、ある段階(処理が終わった状態)の Stage を、ノードを指定することで取得し
編集結果のアトリビュートを取得します。
そして、現在の Stage(現在のノードの編集可能な Stage)に対して
結果のアトリビュートを追加します。
結果、別の SOLARIS のノードのアトリビュートを、現在のノードの Stage に
持ち込むことができました。
これだと対応できないケースもありますが、
回避できるケースもあるんじゃないかなと思います。