Skip to main content

基本 Widget を使ってみる(4):ListView

次は、これまたよく使うであろう List から指定の行を選択できる
ListView を説明していきたいと思います。

info

コレと似た UI で ListWidget というものも存在していますが そちらは、基本的には今回説明する ListView に Model(後で説明)が 含まれた Widget になります。 そちらのほうが導入はしやすいですが、あえて ListView で説明していきます。

サンプルコード

#!python3
# -*- coding: utf-8 -*-

import sys
import os.path

from PySide2 import QtCore, QtGui, QtWidgets


class UISample(QtWidgets.QDialog):

def __init__(self, parent=None):
super(UISample, self).__init__(parent)
# カスタムUIを作成
layout = QtWidgets.QVBoxLayout()
self.listView = QtWidgets.QListView()
layout.addWidget(self.listView)
self.lineEdit = QtWidgets.QLineEdit()
layout.addWidget(self.lineEdit)
label = QtWidgets.QLabel('↓に入力された文字の列を選択')
layout.addWidget(label)
self.lineEditB = QtWidgets.QLineEdit()
layout.addWidget(self.lineEditB)
self.setLayout(layout)
# ここまでUI作成

# Model作成
self.model = QtCore.QStringListModel()
self.model.setStringList(['aaa', 'bbb', 'ccc'])
self.listView.setModel(self.model)

# Signal-Slot作成
self.lineEdit.returnPressed.connect(self.addList)
self.listView.clicked.connect(self.listClicked)
self.lineEditB.returnPressed.connect(self.matchSelect)

def matchSelect(self):
# Listから指定の文字の行を探して、見つかったら選択
txt = self.lineEditB.text()
stIndex = self.model.index(0, 0)
searchIndex = self.model.match(stIndex, QtCore.Qt.DisplayRole, txt)
if len(searchIndex) > 0:
self.listView.setCurrentIndex(searchIndex[0])
self.lineEditB.clear()

def listClicked(self, index):
# 現在選択している文字列を取得する
print(index.data())

def addList(self):

txt = self.lineEdit.text()
strList = self.model.stringList()
strList.append(txt)
self.model.setStringList(strList)
self.lineEdit.clear()


if __name__ == '__main__':
app = QtWidgets.QApplication(sys.argv)
a = UISample()
a.show()
sys.exit(app.exec_())

実行すると、このような GUI が表示されます。

Model について

まず、ListView を使用する場合切手も切り離すことが出来ないのが「Model」
と呼ばれるクラスになります。

PySide には「Model-View アーキテクチャ」と呼ばれる構造があります。
これは データの管理部分と表示部分を別に管理しよう という考え方になります。
その辺は DFTalk にて紹介されているページがありますので
そちらを参照してください。

ものすごい雑な解説図で説明すると
今回説明する「ListView」というのは、「List を表示する部分を受け持つ UI」
になっていて、実体自体は持ちません。
そのため、デフォルトだとなにも表示されないし、表示する項目をセットする
それっぽい関数なども存在しません。

そのかわりに、実際のデータ管理部分を受け持っている「Model」クラスを作成して、
こちら側でデータの管理を行うようにします。

        self.model = QtCore.QStringListModel()
self.model.setStringList(['aaa', 'bbb', 'ccc'])
self.listView.setModel(self.model)

今回のサンプルでは、この部分が Model を作成している部分になります。

モデルはかなり色々とカスタマイズできますが、ソレをするとわけが分からなく
なるので、今回は最もシンプルな「QStringListModel」を使用して
基本的な動作を解説します。

QStringListModel とは

QStringListModel とは、list 型のデータを View に表示するための Model になります。
使い方は、上のサンプルのように model オブジェクトを作成し、
setStringList で str の List をセットして、lisetView に対して setModel で
登録すれば OK です。

@startuml

agent ListView
agent QStringListModel
agent list

ListView -right-> QStringListModel
QStringListModel -right-> ListView
QStringListModel -right-> list
list -right-> QStringListModel

note bottom of ListView : ユーザーが触る部分
note top of QStringListModel : Viewに表示するデータをlist型で管理する
note bottom of list : Viewで表示する実際のデータ

@enduml

構造的には ↑ のようになっていて、
ユーザーが触る「表示部分(ListView)」と、データを管理する部分(QStringListModel)
そして表側からは見えないですが、
実際に表示する List を Model がアクセスして、
List を View に表示しています。

QStringList の Help はこちらになりますが
ここからは List の取得と登録のみできるようになっています。

https://doc.qt.io/qtforpython/PySide2/QtCore/QStringListModel.html#qstringlistmodel

具体的なよく使う関数

とりあえず今のところは「Model というデータにアクセスする部分をセットするんだな」
ぐらいの認識を持ちつつ、実際の使い方をみていきます。

List に追加する

    def addList(self):

txt = self.lineEdit.text()
strList = self.model.stringList()
strList.append(txt)
self.model.setStringList(strList)
self.lineEdit.clear()

登録しているのはこの部分になります。
QStringListModel の場合は、内部的には list 型を持っているので、
一度 list を取り出して、新しく追加したい項目を append で追加して
再度 setStringList で登録してあげれば
List に新しい項目が追加することができます。

現在選択している項目を str で取得する

List をクリックしたときに、現在選択している項目を取得したい場合は

    def listClicked(self, index):
# 現在選択している文字列を取得する
print(index.data())

このようにします。
clicked の Slot を設定すると、args で index を取得することができます。
この index は、現在選択されているデータにアクセスするためのタグのような
ものになっています。
https://doc.qt.io/qtforpython/PySide2/QtCore/QModelIndex.html#PySide2.QtCore.QModelIndex
この index は QModelIndex オブジェクトで、ここからデータを取得したい場合は index.data() にアクセスすれば OK です。

スロットではなく、選択しているデータを取得したい場合は、

index = self.listView.currentIndex()

これで index を取得できるので、取得した後に index.data() で
データを取得してくれば OK です。

リストから指定の文字を探してきて Match したら選択

    def matchSelect(self):
# Listから指定の文字の行を探して、見つかったら選択
txt = self.lineEditB.text()
stIndex = self.model.index(0, 0)
searchIndex = self.model.match(stIndex, QtCore.Qt.DisplayRole, txt)
if len(searchIndex) > 0:
self.listView.setCurrentIndex(searchIndex[0])
self.lineEditB.clear()

List から指定の文字で index を探したい場合は match を使用します。
これは若干使い方がわかりにくいですが、

まず、どこから探すかの起点になる Index を作成し(この場合一番上が row=0 column=0)
どの文字列と比較するかを指定(UI に表示されている内容なら QtCore.Qt.DisplayRole )
最後に match させたい文字を指定します。

!!! info QtCore.Qt.DisplayRole は、Model カスタマイズの際にもう少し詳しく説明します。
ここでは「Model からなにを取得したいかのフラグ」と思えば OK です。

match を使わない方法としては

    def matchString(self):
strList = self.model.stringList()
txt = self.lineEditB.text()
if txt in strList:
index = self.model.index(strList.index(txt), 0)
self.listView.setCurrentIndex(index)

list.index('moji')
を使用することで list 型のどこに指定の文字が入っているかを数字で取得して
index(row,column) の row にその数字を入れて Index を取得してきてから
setCurrentIndex するやり方もできます。
こちらの場合は文字が完全に一致している場合に有効で
match の場合は 1 文字でもあっていれば
選択をすることができるようになります。

まとめ

基本を押さえたつもりですがわかりにくいかもしれません orz
ListView に限らず View 周りは PySide のなかでもかなり奥が深い分野になるので
もうしばらく何回かに分けて解説をして行ければと思います。

が、難しい!